転らぶ (なー。ひー。交換小説)

なな。と、ひひ。の二人で作っていく世界です。

2021-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ひーくんのお誕生日記念。シークレット特別編。

異世界。それは想像する世界。 だから、ひーくんのお誕生日という日を一緒に過ごすことができる、もうひとつの世界のことだろう。 これは、私の幸せで痛い妄想のお話。笑。 「ーーほぉらッ!起きて、尋!」 急にかけていたタオルケットを取り上げられ、ベッ…

力を使わぬものたち。

ずっと急ぎ足で道をひたすら進み続け、やっとの思いで村の入り口まで来た頃には、さすがのナナリアの息も上がっていた。 息を少し整え、村に一歩踏み入れた時だった。 ーーザザッーー。ザザザッーー。 一瞬にして、ナナリアは何人もの村人に囲まれてしまった…

力を使わぬ者たち。

「……もう、だめ。むりーー。」 奈々を乗せて飛んでいたクラゲは、 徐々に地面へとゆっくり近づいていた。 「ごめん。クラゲさん…。 私。その…重かった?」 「…!違うの、奈々。えっとね……」 クラゲが何か言いたそうにもじもじしている。 「?」 首を傾げるナ…

あの頃と今。

ーー「…尋の場所は分からない。 私も…尋を探してるの。」 ナナリアの答えに少女奈々は微笑む。 「…そうなんだ。 嘘じゃないようだね。 なら…私があなたより先に尋を見つける。 悪いけど…尋は渡さない。 もう…離れたくないの。ごめんね。」 そう言って少女奈…

あの頃と今。

深い霧の中、これは幻なのだろうか。 少女奈々は、目を逸らすことなく真っ直ぐナナリアを見つめる。 その目線は冷たいながらも瞳の奥は吸い込まれる程にどこまでも澄んでいるように見えたが、どこか歪であやふやなものが瞳に少し影を落としていた。 ナナリア…

崖の上から見下ろす世界

奈々がいない世界なら要らない。 そう考えると、ここに存在することすら違和感が出てくる。 上手く笑える時もあるが、どうでも良くなってしまう時もある。 突発的に存在すること自体に拒絶してしまうようだ。 そんな時は、町を見下ろせる場所に行ってしまう…

あの頃と今。

どれくらいの時間、空の上で過ごしただろう。 ナナリアのお屋敷からは、かなり離れた場所まできたのか、見慣れない景色と動植物が増えてきていた。クラゲの上はぷるぷるなのに人が乗ると収まりが良く、なんとも言えない心地よさがある。子供の頃夢に見るよう…