転生なんて聞いてない。
お菓子でできた街、光り輝く石の砦、猫のような兎のような不思議な生き物、キリンと恐竜が混ざったような凶暴そうな生き物。
歩いていると、現実からはかなりかけ離れた情景が広がっているのに、
どこか全てが懐かしく、見覚えがあるような気がした。
奈々は歩きながら痛む頭をフル回転させる。
そうして気がついたこと。
それは、ふたりの自分の記憶だった。
この不思議な世界の記憶と、
どこか遠く感じる夢のような昨日までの記憶。
3ヶ月前。
奈々と尋はひょんなことから再会した。
(なな。)