空っぽだ。 奈々がいないと、空っぽだ。 どの世界にいても、どこにいても、奈々がいないなら、全てが無意味に思える。 空っぽだ。 ヒロは、立ち止まって空を見上げる。 空っぽだ。 空っぽなのに。 何故か涙が出た。 何もないのに。 自分でも止められない涙が…
「ーー奈々!こっちからなら行けそう!」 クラゲはナナリアの部屋の窓から外を覗いていた。 ナナリアもクラゲの元へと駆け寄る。 どこまでも続く青に、際立って大きい入道雲の数々、目が眩むくらいの光に視界を遮られ、下を見ると、遥か下に薄ら地面が見えた…
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